◆◇ 「 緒方恵美の、銀河で、ホエホエ。」 ◇◆ 2012年2月7日発行
vol.110「13年目の雨と、これから。」
あれから12年。今日は13回忌です。
声優として、同期だった新山志保の。
そして5月には、尊敬する先輩・塩沢兼人さんの「その日」を迎えます。
個人的に命日に振り返ることはもちろんですが、公に何度も……というのは、
本人が嫌がりそうなので（笑。特に新山）、これを最後に……のつもりで、さっ
きブログに想いを綴らせて頂いた次第です。（ http://emou.seesaa.net/ ）
その際、一緒にupさせて頂いた写真ーーー「塩沢兼人FC『Dreamin'』」に
ついて思ったことを、長くなりそうなので、メルマガで。
「10年を区切りに、今年度で会報・会誌の活動を終了することになりました」
昨年夏に届いた、「Dreamin'」からの暑中見舞い。
ファンレターの他のハガキとくっついていたので見逃してしまい、気づいたの
がかなり後。イマサラなあ、、、と思いつつ、でも、いつかご紹介したいと思い、
こんな日付になってしまいました。
だって、すごくないですか？
兼人さんが亡くなって、もう12年、今年で13回忌ですよ？？
（ハガキは去年でしたが）
もうこの世にいないひとりの役者のために、亡くなった後も10年以上もの間
ファンクラブを続けてこられた会員の皆様、とりわけその代表・Nさんの頑張り、
想いの深さ、強さに驚き、圧倒され、……感動しました。
こんなに長く愛して下さったこと……そして、そんな皆さんに愛された塩沢兼
人という人は、やっぱりすごい人だったなあ、と。
そして、我がこと、を、改めて、振り返りました。
……昔。
とある現場でご一緒させて頂いていた「とある先輩」が、最後の会報だという
ご自分のファンクラブの会報を、現場の休憩時間に私に見せて下さいました。
15年（？くらいだったと思う）続けてこられたFCの誌面に、くっきり浮かぶ、
「解散」という大きな文字。
その後に綴られていた直筆の文章には、このようなことが書かれていました。
「世代交代の波がついに僕にも訪れた。主役がなかなかとれなくなった。でも
僕は、主人公でないと役者としての快感が得られないし…（略）そんな僕を応援
してくれと、ファンのみんなにもう言えない。だから、解散したいと思います」
（うろ覚えすみません、意訳です。多少の差異、お許し下さい）
主人公じゃなくてもいいじゃないですか、それでも先輩を好きで、応援したい、
そばで見ていたいと思ってくれる人はいますよ。それじゃあ嫌だと思う人もいる
かもしれないけど、そういう人は自分から離れていくでしょうし。。
そう言った私に、先輩は笑ってこう言いました。
「『それが』嫌なんだよ。だから僕の方から先に、ファンにサヨナラするんだ。
お前も、今に、わかるさ」
ーーー「オマエモ、イマニ、ワカルサ」、、、
その先輩と私では、役についての考え方や、役者としての生き方がだいぶ違う。
だから「まんま同じ」ではない。でも、先輩が感じていただろうこと、言わんと
していたことは、確かに「今」、少しだけですが、わかるようになりました。
その先輩と私。塩沢兼人さん。
その、それぞれのファンクラブ（ファン）のみなさんーーー
私のFCは創業当時からずっと、ファンの中から応募してくれたスタッフの手で
運営されています。昔の声優のFCは、そんな風にファンの有志が頑張ってくれる
か、私設でやっている中のひとつを公式として認めるか、自分や自分の家族がや
るかしか、ありませんでした。
今、多いような、事務所や、ファンクラブ専門の会社が運営するような形式に、
もしもしていたら……私のFCは、もうとっくの昔に解散していたことでしょう。
いや、「解散せざるを得ない状況になっていた」というのが正解かな（^^;
頑張ってくれているスタッフはすべて、ボランティアスタッフ。交通費と簡単
なお弁当、あとは運営における必要経費分（サーバー関係やプログラム、他諸々）
だけをギリギリ会費から捻出している状態。
それでも、……いや、だからこそ、「愛情」だけはいっぱいだなあと。
プロ仕様なスーパーサービスはなくても、空気はいつもあたたかい。
……手前味噌ですが（笑）。
アナログだけど、「お仕事です」ではない空気感……それを望んだ私の想いを
くみ取り、頑張って運営してくれているスタッフはもちろん、そのメリット・デ
メリットを承知で、いてくれているFC会員のみんなにも、感謝しています。
もし、プロに任せていたら。
この空気感は、きっと生まれていなかった。
そしてたぶん今頃は、某先輩とは別の理由で……その会社に大して利益を生ん
で上げられない自分に嫌気がさして、プレッシャーから逃れるために、「解散」
を選んでいたのではないかと、、、
兼人さんのFCのように、ずっと続けてほしいというワケではない。
私は、もし自分が死んだら、早く私を忘れて「次」に行って欲しいと思うから。
某先輩と同じ理由の方で、終わらせてしまう方がいいんじゃと思うこともある。
その方がみんなにとってもラクになれるんじゃないかと、思うこともあるから。
だけど今、こうしているのは、何でなんだろう？
……わからない。
でも、今は……スタッフのみんながいてくれて、ファンのみんながいてくれて、
一緒に生きているこんな感じが、嫌じゃないと……いや、妙な言い方でごめん！
でも、嫌じゃないんだと感じてるんだってことだけは、わかる。
だって、人間、いつ、誰が、どこで、どうなるかなんてわからないのだから！
望んでも生きられない「明日」だってある。
ならば今は、とりあえず、流れに任せてみようかなと！（笑）
採算がギリギリ合って、スタッフががんばろうと思ってくれる限界には達しな
い範囲の中で、オガタのそばにいたいと思ってくれる会員さんがいるのであれば、
……とりあえずは、続けておこうかなと！
……そんな風に、思っています！
……なんのまとめにもなってないな、、、（爆） ←（笑）
兼人さんFC「Dreamin'」のみなさん、お疲れ様でした。
兼人さんは私と似ている先輩だったので（失礼！）、「いつまでやってんだよ」
と悪態をつきながらも（笑）、今、本当に感謝されていると思います。
あの、くしゃっとした、照れ笑いと共に（笑）。
ココロに。感謝のコトバを。
……そんなことを打っていたら、雨、あがってた！！
明日は、晴れですね！