[情報] 緒方恵美の、銀河で、ホエホエ。vol.48

作者: OGATA (HARUKA)   2006-03-30 17:45:11
◆◇ 「 緒方恵美の、銀河で、ホエホエ。」 ◇◆   2006年3月30日発行
                 vol.48 「年度終わりの、ふしぎ旅。」1/4
 はじめに。
 今回の「ホエホエ」は、かなり長い、「ふしぎ系話」(実体験)です。
 おまけに、かーなーりー、神懸かり的要素大。
 宗教的な話にも、ちょこっと、触れています。
 なので、そういうのが苦手だったり斜め読みしたり、ご自分が信じている宗教以

の話は聞きたくないというタイプの方は、お互いの心身の健康のために(笑)、今

は読まれないことを、強くオススメします。
 ・・・オススメ、しましたよ?
 ・・・怒らないで下さいね。
 ・・・前説、オワリ!(笑)
   * * * * *
 突然だが、私は、特定の宗教は持っていない。
 実家のお墓が浄土真宗のお寺にあるので、葬式や法事は浄土真宗式でやるが、そ

以外は長年、初詣と受験の時にしか神社にさえ足も運んでいなかった。
 あ、子供の頃は境内でよく遊んでいたか。あと、お祭り?(爆)
 現代ニッポン人に多い、いわゆる「無宗教」人間のひとりだ。
 でも、他の人が何らかの宗教信者であることについての偏見は、あまりない方だ

思う。むしろ羨ましいなと思うことさえある。
 この多種多様になってきたニッポン社会の中では、どんなに頑張っても、時に自

の立ち位置を見失ってしまうことがある。そんな中、自分なりの規範と呼べる「芯

になるものがある人は、強い、と思うからだ。
 それでもそのためだけにどこかに入信するのはもちろんナンセンスな話で・・・

局今も、無宗教のままである(強く惹かれるお話を聞かせて頂けるスゴイ方にお会

する機会がなかったからかもしれないが)。
 正確には、「八百万の神」は、信じている。
 言葉、モノ、風や自然・・・いろいろなものに「いのち」は宿っていて、大切に

なければ、感謝しなければと思うから。
 かといってじゃあいつもスベテノモノを愛おしんでいるかというとけしてそうじ

なく、いろいろ捨てたりほっといたり、あああこんな私が宗教を語るなどマッタク

ッテオコガマシイ! 申し訳ない! ごめんなさい!
 (と言っていると先に進まないので、進む。ごめんなさい)
 そんな私で恐縮なのだが、教会や神社の空気は、大好きだ。
 あの、静謐な空気。凛とした空間。
 その中に身を浸しているのは、とても心地よいと思う。
 トシを重ねるごとにそう思えてくるのは、どこかが鋭敏になってくるからだろう
か。
 感傷? 回帰? ・・・職業病?(^^;
 いずれにしても最近、教会や神社の立ち寄り率が高くなったのは間違いない。
 そんなこんなもあって、今、私は、高野山の某宿坊にいる。
 仕事が一区切りしたのでふと思い立ち、母を誘ってふらり、来てみたのだ。
 とはいえコッチ(紀伊半島)に入るまで、今回ココ(高野山)に来る予定はゼン

ンなかった。
 なのに、私はなぜか、今、ココにいる。
 偶然が重なった結果といえば、偶然だ。特別どうということはない。
 だが、これが、「呼ばれたんだな」と思ってしまうまでに至ったのには、いろい

なことが、あったのだーーー。
 皆さんは、奈良県の天川村にある「天河大弁財天社」(通称・天川神社)をご存

だろうか?
 役の行者が拓き、天降る天女の神を弁財天と感得されこの地に勧請せしめた、日

における「芸事の発祥地」と言われる神社だ。
 今や世界遺産になった熊野山と、吉野山・高野山の三つの山頂を結ぶとほぼ正三

形になるのだが、その聖なる山々が作る△の、ちょうど真ん中に位置している。
 そのためか大変気が濃い土地で、パワースポットとしても有名だ。
 東京からだとどんなに頑張っても8時間、一番近い私鉄の駅からもバスで1時間

上かかる超・辺鄙(失礼!)な場所にあるにも関わらず参拝客が絶えないのは、ソ

ラ系の方々や芸事に精進している人間(だけじゃ勿論ない)が、後を切らさないか

らしい。
 私が天川神社を知ったのは、声優になってから2年目のことだった。
 当時のレギュラーが一緒で、仲良しになった声優のYちゃん(微妙な話なので一

イニシャルで)が教えてくれた。
 曰く、とても気が澄んでいて、濃い場所であること。
 行くと何か「感じる」、素晴らしいパワースポットであること。
 そして、「呼ばれていない」人はなぜか「辿り着けない」らしいこと。
 その後にやっぱり時々天川に行く、と言う、Sちゃん・Aちゃん・T君他、たくさ

の声優仲間(先輩)からも話を聞いたが、みんな同じ返答だった。
 そして、オガタも行ってごらんよ、一緒に行こうよ、とお誘い頂いた。
 深く、興味を持った。
 芸能界というトコロの片隅の方にでも一応在籍する者(笑)としては、ごくフツ

の反応だと思うのだが、反面、やはりとても気になった。
 「まだ呼ばれていない人」は「辿り着けない」、という部分が。
 場所が遠いことも一因だろう。
 芸事を「プロ」としてやっている人は東京近郊在住者が圧倒的だから、連日の休

を取って、ヨイショ、というのはかなりの大仕事である。
 では関西の芸人の人ならもうチョット近いから、東京の人間よりは行ける率が高

のでは? などと穿ってもみるけれど、いずれにしてもなかなか行きにくい場所に

ることには違いない。
 不思議なのは、行くために綿密に計画を立てていても、思わぬ邪魔が入ることが

いらしい。曰く、病気になったり、急な仕事が入ったり。ムリをして行っても、村

入る直前で具合が悪くなってみたり。
 まぁとにかく、予定を立ててみましょう、と私もやってみたのだが、、、これが

行けない! 行けない!
 見事なほどに、当時は行けなかった。
 一生懸命スケジュールを調整したのに、必ず、「どうしてもムリですか?」と言

れてしまう仕事が入ってしまう。もしくは、その日を空けるために頑張って根詰め

ぎたせいか、急に体調を崩してダウンしてしまったり。
 そのたびに、「うーん、オガタはまだ呼ばれてないってコトだね」「ムリしない
で」
「ごめんね」等慰めの言葉をかけられ、ひとり、置いて行かれた。
 ガクリ。
 行けないならまた行けばいい。それだけのことだ。
 だが「呼ばれない人は行けない」という言葉に、なかなかそこへ行けない自分は

者としてまだダメだと神様に言われているような気がして、ちょっぴり凹んでいた

だった。
 そのうち周辺のブームも去り(笑)、月日も、流れ。
 私の中で天川神社のこともだいぶ遠くなっていた、ある年のこと。
 大阪へ行った所で、その後2日間のスケジュールが急に空いたことを知った。
 当時、ちょうど「SAMURAI DEEPER KYO」という『ナンチャッテ時代劇アニメ』
(爆/イヤ自戒的に、、、上条先生ごめんなさい)の中で、「真田幸村」役を演ら

て頂くことが決まったばかりの頃。
 イタコ系役者の私は、なるべくその役のことを勉強してから入るようにしていて

ーー特に実在の人物であれば、その人物の特技を実際に学んだり、生活環境から来

感覚を知るためにゆかりの地へ出かけたり、よくする。
 なので、これは関西方面の幸村の史跡を廻る最大のチャンス! と思い、さっそ

レンタカーを借り、まず、お墓のある京都の寺を確認。それから蟄居させられてい

高野山(九度山)へ行くには? と地図を広げてみたら。
 ・・・オヤ?
 高野山の少し右側に、「天川村」という記載が・・・
 こ、これは、天川神社のある、あの?
 しかもその位置は、先に行こうとしていた京都からまっすぐ南へ下っていった先
だ。
高野山へ行く前に立ち寄るには、もってこいである。
 と、ここへ来て初めて天川の正確な場所を知る程度の情熱しか、それまでの自分

持っていなかったことが露呈したわけなのだが(爆)、、、それまで行けなかった

は当然といえば当然だったのだろう。
 とにかく、この日が私にとって、初めての天川参拝となった。
 (続く)
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 [ 緒方恵美の、銀河で、ホエホエ。 ] -vol.48-
発行者 : 緒方恵美
発行日 : 2006.3.30.
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