「奥羽新幹線」「羽越新幹線」早期実現へ沿線6県が初調査、整備の妥当性を確認
讀賣新聞 2021/06/22 14:00
「奥羽新幹線」と「羽越新幹線」の早期実現に向け、山形県など沿線6県で構成する
「関係6県合同プロジェクトチーム(PT)」は21日、予想される所要時間の短縮や
両新幹線の費用対効果に関する初の調査結果を発表した。東京─山形間の所要時間が1
時間40分となり、現行より46分短縮できるとした。
両新幹線は1973年に政府の基本計画に位置づけられた。奥羽新幹線は福島を起点
に山形を経て秋田を終点とし、羽越新幹線は富山から鶴岡付近を通って青森までを結ぶ
ルートが想定されている。
調査による所要時間では、現在、在来線の乗り継ぎが必要な東京─鶴岡間が2時間2
1分と72分短縮。日本海側では、在来線で3時間23分かかる山形─秋田間が42分
になるとした。需要予測は経済成長を高めに見積もった2045年時点で、山形─福島
間で1日あたり32万7000人とした。
総事業費は、両線とも盛り土に単線を敷く最も安価な方法で、計4兆400億~4兆
2200億円かかるとした。
費用対効果は、これらの推計を基に、事業費に対し、所要時間の削減などの便益が上
回れば「1」を超える指数で計算したところ、両線が整備された場合は0・47~1・
08となった。
PTは山形、青森、秋田、福島、新潟、富山6県の課長級職員で構成され、調査は1
7年8月から着手した。山形県総合交通政策課の担当者は「指数の最大値は1を上回る
結果で、整備の妥当性が確認された。この結果を踏まえ、政府などに提案・要望活動を
行い、整備実現につなげたい」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210622-OYT1T50128/