短期集中表紙連載 第二十三弾
推し掛け麦わら大船団物語vol.5 キャベンディッシュ編
「──というわけでアレは敵船じゃないから攻撃の必要はないんだ、スレイマン」
「説明が長かったな」
キャベツたちの後ろには『MARRY ME♡』と掲げた可愛らしい海賊船が。
■反響する悲しみと怒り——
叫ぶビッグマム。
ナレーション:
63年前──
マザー・カルメルと子供達の失踪事件———
ビッグ・マム本人さえ知らない
その事件の一部始終を見ていた者が──
2人いた
ナレーション:
一人は『羊の家』を気にかけて
1人立ちすくむリンリン「あれ?」
「あれれ?」
ナレーション:
様子を見に来ていたエルバフの戦士……!
彼は青ざめ──
走り出し…!!!
もう二度とこの島へ来る事はなかった
──やがて“それ”はエルバフ及び全巨人族の耳に届き
『シャーロット・リンリン』はもはや その名を口にする事もはばかれる程
巨人族から嫌悪される存在となる──
エルバフではちょうど滝ひげヤルルの葬式が行われていた。
ナレーション:
一方もう1人の目撃者は
もとよりこの島に住みついていた
海賊崩れの料理人──名をシュトロイゼンと言い
彼はこれを面白がった……!!
笑い転げるシュトロイゼン「わははははは!!」
「くくく……!!」と笑いながら丸太の上に木を置く。
トントンと輪切りにすると、木が切られた途端にお肉へと変わっていく。
そのお肉を食べるシュトロイゼン「あんな怪物見た事ねェ!!」
ナレーション:
彼の能力はこの世のあるゆる物を
“食材”に変える『ククククの実』の能力(ちから)
「放っときゃ死ぬな…勿体ねェ……!!」
泣いているリンリンにシュトロイゼンが話しかける。
シュト「お嬢ちゃん夢でも語り合わねェか?」
リンリン「おじさんだれ? マザー知らない?」
シュトロイゼン「おいあまり近づくな」
「その内帰って来るだろう それまで一緒にいてやるよ!!」
「食うには困らせねェ!!」
ナレーション:
この時出会った2人が 現在のビッグ・マム海賊弾を築き上げる
【回想終わり】
ビッグマムに向けられた武器を見て慌てるシュトロイゼン「!!!」
「リンリン!!!」
「正気を取り戻せ!!! 撃たれるぞォ———!!!」
ヴィト、ゴッティ、ベッジの3人がKXランチャーを構える。
ベッジ(ママは衰弱し!!)
(会場の誰も動けない5秒以上の時間!!)
(KXランチャーはその時最大の効果を示し)
(ビッグ・マムは)
(死ぬ!!!)
ドドウン!!
ついに引き金が引かれる。
カタクリもスムージーもオーブンも、子供たちは全員が奇声に耳を押さえて動くことが
できない。
ビッグマム(マザー……みんなが邪魔するんだ)
ウヒョォ♥♥と様子を見守るシーザー。
ペロスペローもルフィもジンベエもプリンもモンドールも…
全員の目がビッグマムに注がれる。
ビッグマムは号泣しながら、再びカルメルのことを思い出していた。
【回想】
マザー「ここを私達の国にしましょう! みんなが平等に暮らせる夢の国!!」
リンリン「くに~~!?」
マザー「そう 種族間の差別も何もない みんな同じ目線で暮らせる国!!」
リンリン(同じ目線?すてき!! みんなが大きくなればいいんだ!!)
「こんな国がたくさんあれば」
「世界はもっと平和になるのに!!」
「みんなが幸せになれるのにね!!」
そんなカルメルとの会話をシュトロイゼンに話しているリンリン。
シュトロイゼン「──平和?それがお前の夢か!?リンリン」
リンリン「そうなの!!」
「マザーが喜んでくれる国をおれが作るんだ!!」
場面変わり、お花にソウルを入れるビッグマム。
花「ハーナー♪ ハーナー
リンリン「マザーがやってた手品!!」
「なんで!? おれにもできた!!」
シュトロイゼン「何と!!“悪魔の実”の能力か!?」
「よしリンリン 作ろうじゃねェか夢の国!!」
そして時間がたち、指名手配されるリンリン。
「子供に5千万!?」
「CP(サイファーポール)より危険人物と報告が!!」
「強大になる前に捕えろ!!」
さらに時間がたち、大きくなったリンリンの懸賞金は5億ベリーに上がっていた。
ゼウスとプロメテウスを引き連れ、どこかの国を襲うリンリン。
血を流す国王を抱えている。
リンリン「甘いお菓子を持って来い!!!」
「そうすれば約束してあげる!!」
「『平和』と!!! 『夢の国』を!!!」
「おれの言う事をきけばみんな幸せに決まってる!!!」
「きかないやつはわがままだから 殺さなくちゃ!!」
(マザー!! いつかみんなを巨大にするから!!)
(そしたらまたテーブルを囲もうよ!!)
【回想終わり】
号泣しているビッグマム。
(でもまだおれの言う事きかねェ奴がいる!! 悲しくて涙が止まらねェ!!!)
(──だって 1枚きりのマザーの写真を…)
(あいつら割りやがったんだ)
(許さねェ…!!!)
(“麦わらの一味”を)
(許さねェ~~~~!!!)
ビャアアアアァ!!!!
泣き声と同時に強大な覇気を放つビッグマム。
ボボボン!!
「!!?」
その覇気のせいで放ったKXランチャーが爆発してしまう。
白目を剥いて驚くカポネたち。
モチで耳栓をしたカタクリがようやく動き始める。
ポコポコポコと大量の小さな餅を出していく。
一方ルフィたちは固まったまま動けず。
カタクリがモチをそこら中に降らせていく。
モンドール「!」
子供たちらが耳栓を装着し、ベッジ達に迫る。
ベッジ「作戦」
「失敗だァ!!!」
慌てて逃げ出すカポネ。
シーザー「……!!」
『いいか 空を飛べるおれ様が脱出用の鏡を持って会場内へ突入する!!』
『用が済んだら全員素早くシーザーの鏡の中に飛び込め!!』
シーザー(くしくもおれの出番か!!)
(畜生 おれのランチャーを破壊するとは)
(怪物ババーめ!!『四皇』は『四皇』か!!)
カポネたちが逃げる先に鏡を持ったシーザーが移動。
(退散だ野郎共!! 鏡に飛び込めー!!)
カポネがルフィたちにも合図を送る(全員鏡へ!!)
頷き、動き始めるルフィ。
ナミたちも鏡へ急ぐが…
シーザー(何て風圧っ!!!)
アアアアァァァア
パリィン!!
シーザー「!!?」
全員(え~~~~~~~!!?)
鏡が割れ、さすがのジンベエも焦りの表情を浮かべる。
(マズイ!!! ここは屋上!!他に…)
(逃げ場はないっ!!)
さらに耳栓をして動けるようになった子供たちが、カタクリとスムージーを筆頭に迫る
。
(勝ち目も!!!)
(ない!!!)
万事休すだが、カポネが動く。
「城(ルーク) イン・フォラ・グレーセ!!」
ゴゴゴゴゴゴ
ルフィ達「!!」
「!!?」
「ひとまず中へ!!」
「連合軍っ!!」
カポネ「『大頭目(ビッグ・ファーザー』!!!)
一同「!!??」
カポネが巨大な城へと変身する。
■大ピンチに巨城、立つ——!!