柚希礼音、ブロードウェー巨匠と初仕事！
2015年5月20日6時0分 スポーツ報知
希代の人気スターとして活躍し、今月１０日に宝塚歌劇を卒業した元星組男役トップス
ター・柚希礼音（ゆずき・れおん、３５）が、米ブロードウェーの巨匠ハロルド・プリ
ンス（８７）の演出で１０月に世界に先駆けて日本で初演されるミュージカル「プリン
ス・オブ・ブロードウェイ」に出演することが決まった。スポーツ報知のインタビュー
に応じた柚希は「自分一人の体に戻れました」と肩の荷を下ろしながらも、「もう一度
大きな挑戦がしたい」と意欲。世界的規模の大作で第二の人生を踏み出す。
卒業から１０日ほど。箱根に星組メンバーで旅行後、男役時代よりさらに髪を短く切
っていた。「ずっとしてみたかった髪形で。外でパスタランチに行くだけで新鮮。自分
一人の体に戻り、自由な感覚です」。天職のようにトップを務めたが、重責を果たし終
えた者だけが感じ取ることのできる解放感なのかもしれない。
しかし、何事にもがむしゃらなスタイルは変わらなさそうだ。既に関西から東京に引
っ越しも済ませていた。卒業の日、「今後は明日から考えます」と答えたが、本人には
秘めた決意があった。
ファンならずとも注目の初仕事も決まった。トニー賞に輝くこと２１回。「オペラ座
の怪人」「キャバレー」など数々の名作を手掛けた演劇界の巨匠ハロルド・プリンス演
出による自伝的なショー「プリンス・オブ・ブロードウェイ」への出演だ。世界中から
一流の舞台俳優が集結し、日本が世界初演となる大作で柚希は得意のダンスや英語の歌
を披露する。「すごい作品だけに自分のダンスも真剣に見直さないと。大変なのは覚悟
しています」
今の自分がどこまで通用するか。現在、準備中だが、本場ブロードウェーの舞台に立
つ可能性も十分。「宝塚で最高の経験をさせてもらう間に、もう一度大きな山にチャレ
ンジしたくなった。挑戦せず終わるのは、絶対に悔いを残すと思ったんです」。９歳で
バレエを始め、高校２年時に宝塚音楽学校に合格したが、「実はこの時、アメリカンバ
レエスクールに願書を出す手前で留学を諦めたことも気になっていました」。本気度を
物語るように英会話の猛特訓も始めている。
「女優」の肩書は「自分に合わない」と強い抵抗を覚えるという。「ミュージカル俳
優」が適切なのだろうか。「時間をかけて宝塚で教わり、培ったものは多い。自分はや
っぱり休まず続けていくのが性にあってるのかな、と思います」
音楽学校時代は歌に苦手意識があった。芸名「礼音」は「音」への礼儀から付けたも
の。無数の課題を克服し、不動の地位を築いた。第二の人生でも荒波に飛び込み、もが
き苦しむこともあるだろう。しかし近い将来、見据えるはブロードウェーでのトップ・
オブ・トップだ。（内野 小百美）
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20150519-OHT1T50196.html