http://i.imgur.com/3kwD1yn.jpg
http://i.imgur.com/n5ohnot.jpg
http://i.imgur.com/QTHm7KW.jpg
http://i.imgur.com/SXNBkzs.jpg
http://i.imgur.com/wjMDsxS.jpg
http://i.imgur.com/yUw4lzX.jpg
http://i.imgur.com/AfzUmoO.jpg
http://i.imgur.com/q5CQURG.jpg
http://i.imgur.com/jGneyix.jpg
短期集中表紙連載 第二十三弾
押し掛け麦わら大船団物語Vol.4 キャベンティッシュ編
『人気ありすぎの罪でわずか74人の部下と
わずか5億ベリーを渡され国外追放されたドン底人生』
ヨルルが振り下ろした剣を片腕で叩き割るリンリン。
■巨人の刃に勝る腕…!!
ヨルル「!!?」
驚くヨルルの長いヒゲをリンリンが掴む。
白目のリンリン「フー」
「ウー…!!」
カルメル「やめなさい!!!! リンリン!!!」
ヨルル「おお!!」
リンリン「セ~~~~」
「ム~~~~~!!」
「ラァ~~~~!!!」
ドスゥゥゥン
ヨルル「!!!?」
カルメルの叫びも空しく、地面に叩きつけられるヨルル。
兜の角が折れ、白目を剥いたヨルルがドプッと血を吐き出す。
よだれを垂らすリンリンの狂気の表情に、思わず戦慄するカルメル。
巨人たち「“滝ひげ”様ァ!!」
「きゃあ───!!!」
「ヨルル様ァ~~~!!!」
その場に倒れるヨルルを背にし、歩き始めるリンリン。
「セ~~ム~~ラァ~~~!!!」
慌てるカルメル「リンリン!!」
近くにいた女巨人に駆け寄る。
カルメル「セムラを用意できる!?」
女巨人「村の食料庫に冬至祭用のが…」
巨人たちがリンリンを取り押さえる。
「リンリンを取り抑えろ!!」ガシッ
リンリン「アア”~~~!!」
巨人「村の火を消せ───!!」
一方カルメルは燃え盛る村の前へ。
子供たち「マザー何してるの!?」
カルメル「下がっていなさい!!」
子供たち「危ないよー!!」
カルメル「“ゲブーア”」コポポ…
掌からソウルのようなものが抜け出していく。
子供「マザー!!」
「マザー!!」
「あつ!!」
そのソウルを火に放つカルメル「“ツターク”!!!」
子供たち「マザー!!」
「あつ!!」
「何だアレ」
カルメル「声を与える」
燃え盛る炎に、まるで魂が宿ったかのように顔が現れる。
火「…………」
カルメル「従いなさい……!!」
子供たち「火に顏が…!!」
「え~~ん!!」
「悪魔みたい…!!」
カルメル「お前の名は」
「“パンドラ”!!」
巨人達が慌ててセムラを運ぶ。
「急げ!! リンリンにセムラを与えろ!!」
至福の表情でまたセムラを食べ出すリンリン。
カルメル「静まれ!!」
カッ
みるみる炎がしぼみ、ついには消えてしまう。
巨人「!!?」
「!!!」
「マザーが…」
そして残ったのは小さな太陽。
「ハイマザー」
巨人「奇蹟を…」
カルメル「…いいえ」
「太陽の神が…全てを治めたのよ」
村が鎮火すると同時に、腹いっぱいになったのかリンリンが倒れるこむ。
巨人「…………!!」
ヨルル「裁け…アレを子供と思うな…!!」
巨人「ヨルル様!!」
「手当を急げ!!!」
さらに山ひげも登場。
寝ているリンリンへ、涙ながらに剣を突きつける。
巨人「山ひげ様!!」
山ひげ「リンリン…!!」
リンリン「くかー」
何も知らず、すやすやと眠るリンリン。
慌ててマザーがリンリンの前に立ちふさがる。
カルメル「どうかお慈悲を!!」
巨人「!!?」
山ひげ「…止めるのか!? カルメル」
「ヨルルは300年…共に戦った戦友…!!」
「…この歳じゃ…奴はもう助からん……!!」
「長生きではない…!! 死に様なのだ 戦士とは!!!」
「……!! 許される道はない」
カルメル「わかっれいます…!!」
「でも許されなくても リンリンは他の子同様全てに見放され『羊の家』に行きついた
憐れな子」
「私が見捨てるわけにはいかないのです!!」
山ひげ「!!!!」
カルメル「私が…!! このコを連れて」
「ここを出ていきます!!!!」
巨人「!!!」
「カルメル!!!?」
ハイルディン「“山ひげ”様 リンリンを殺してくれ———!!」
「エルバフの誇りはどこへ行ったんだ!!」
「ハイルディン!!」剣をもったハイルディンを慌てて巨人たちが止める。
涙の山ひげ「ならば早くわしの目の前から 消えてくれ…!!」
リンリンが起き出す「!」
ナレーション:
巨人族の英雄ヨルルは死んだ──
『リンリンという悪神』
『カルメルの奇蹟』
この日起きた出来事は──
涙目のリンリン「あれ? なにかあったの?」
「滝ひげ様死んだの??」
巨人「!!!」
リンリンに怒りの表情を向ける巨人たち。
ナレーション:
世界にわずかに点在する巨人族の国々にもつぶさに知れ渡った──
巨人族の船をもらい、海へ出るカルメルたち。
ナレーション:
マザーと離れる事を拒む『羊の家』の子らと
今や巨人族の目の敵シャーロット・リンリンを連れて
マザー・カルメルはエルバフを後にする
──新しい『羊の家』での暮らしが始まった
エルバフとは違う巨人の国に辿り着いたカルメル。
巨人たちに手伝ってもらい、立派な木の家が完成。
巨人「これでいいか?」
カルメル「充分よ」
巨人「──正直リンリンの顏はもう見たくねェが」
「あんたは巨人族にとっても『聖母』さカルメル」
「いつでも頼ってくれ…!!」
カルメル「ありがとう…」
ナレーション:
──つのる子供達の不安を取り除こうと…
カルメルは一層笑顔に努めた
数日を数える頃にはもういつも通り──
リンリン「まてまてー」
子供たち「きゃーリンリンに殺される——」
ナレーション:
『羊の家』には子供達の笑い声が響いていた
『羊の家』の評判はこうだ
いかなる問題児も『聖母(マザー)』が奇蹟の力で更正し
良き里親にめぐり会う──
カルメルが世界政府の役人と話している。
役人「──まさかエルバフを出るとは」
ボッと火を点けるカルメル「そうしてでも“あのコ”を手放したくなかったのさ」
「よく考えな!」
「5歳にしてエルバフの村を半壊させる程の逸材だよ!!」
役人「……しかしこの額は…」
カルメル「出せねェ筈ないよね?」
「海兵なら将来の『大将』『元帥』クラス」
「CP(サイファーポール)なら天竜人達の最強の盾となるだろう」
「“ガキ売り”稼業50年」
「ウチにしたって歴代最高の商品だ!!」
「37年前海軍と一芝居うってエルバフに潜り込み」
「海軍初の巨人の海兵ジュン・ジャイアントが誕生したのもアタシのパイプがあってこ
そ!!」
「『羊の家』でずーっとガキ共をダマし続け」
「2年に1度イキのいい身なし子を政府に売ってあげてる」
「諜報部員にうってつけだろ? 身なし子は足がつかない」
役人「わかった!! わかったよ!!」
「金は何とかする」
カルメル「当たり前だよ…『聖母』演(や)んのも楽じゃねェんだ!!」
「これを機に…ボチボチこの稼業から足を洗おうと思っててね」
「最後の商売だ…キッチリ払ってもらうよ!!」
【身なし子売り マザー・カルメル(闇の名:山姥)】
そして羊の家に戻ったカルメルはいつも通り優しい笑顔。
カルメル「ウフフ♡ 今日は何のお歌を歌う!?」
子供たち「ビンクスの酒~~~♡♡」
カルメル「まぁーそれは海賊達の唄よ?」
子供「そうさおれ達いつか海賊になるんだ!!」
カルメル(お前らは政府に売り飛ばすがな!)
「そう カッコイイわね♡」
そして羊の家での日々は過ぎ…
子供たち「せーの」
「誕生日っ!!!」
「おめでとう~~~!! リンリン~~っ!!!」
セムラを積み上げて作ったケーキにリンリンは涙と鼻水とヨダレを巻き散らして喜んで
いる。
リンリン「わ————っ!!」
「ありがとう——!! みんな~~!!」
子供「リンリンの大好物セムラを積み上げて みんなで作ったクロカンブッシュだぞ~
~!!」
「おいしくできたかな~!!」
「お茶会しよう!!」
リンリン「お茶会~~?」
「クロカンボッシュっていうの~? おいしそ~!!」
子供たち「いっぱい食えよ!!」
「たべてたべて♡」
リンリン「うん!!」
ナレーション;
ある日マザー・カルメルは
リンリン「いただきまーす!!」ばくばく
「え~んうれしいよ~~♡ おいしいよ~~♡」ムシャムシャ
子供たち「紅茶いれよう」
「すげー食いっぷり!」
「たくさん食えよリンリン」
ナレーション:
突如姿を 消してしまった
──それは人生で一番楽しかった
リンリンの誕生日──
涙を流しながらセムラを頬張るリンリン。
カルメルも笑顔を見せる。
ナレーション:
境遇の似た大好きな『羊の家』の仲間達
大らかで優しい大好きなマザー
みんなの笑顔に囲まれて
大好きな甘い甘いバースデーケーキを食べると
リンリンは涙が止まらなくなった
なんて素敵な日…涙で前が見えなくなった
「お~~いちぃ~~♡♡」
リンリンの大声に掻き消される悲鳴のような声。
「うええええ~ん!!」
「ああああ」
ナレーション:
今日はなんて素敵な誕生日!!
リンリン「はー…幸せ♡♡」
「ムチューで食べて…机までカジっちゃった♡」
「ウップ」
「みんな本当にありがとう!! おれ一生今日のこと…ずーっと……!!」
ばん!!
ケーキはおろか、目の前に並べられてたハズの机もイスも、子供たちの姿も一切無くな
っていた。
そしてカルメルも…
リンリン「…………!!」
「あれ?……みんな?……マザー?」
ナレーション;
ある日マザー・カルメルは
リンリン「どこにいったの…?」
ナレーション;
突如姿を消してしまった
引きちぎられたカルメルの洋服が地面に転がっている。
リンリン「あれ?」キョロキョロ
「あれれ?」
「どこ?」
「みんな…家の中?」
(一人にしないでよ!)
家の中をのぞくが、誰の姿もない。
(どこなの?)
(ねぇ…マザー)
(どうして急に…)
(いなくなったの?)
【回想終わり】
割られたマザー・カルメルの写真と、叫ぶビッグマム。
ルフィ「ぐ…!!」
ビッグマム「どこへ行ったの!!?」
「マザァ~~~~ッ!!!!」ドン!
■咆哮は想定以上…!!? 暗殺作戦、続行(コンティニュー)——!!
ワンピース 868話 ネタバレへ続く!