No.359 出航
■今、出立の刻!!
B・W1号出航!!!
『ご乗船の皆様!!B・Wは無事大海原へ旅立ちました!!』
『これから船は2ヶ月かけて暗黒大陸を目指します!!』
2層シアター会場
壇上の大型スクリーンにこれからの予定が表示されている
進行役の女性(うる星やつらのラムに似ている)『まず3週間程で人類が通常の航行・漁
業等を行っている領海域を出ます』
『ここで一度給油を行い船体の最終チェックをします』
『未開海域で怖いのは海より空です!!』
『激しい嵐や竜巻・雷雨等の厳しい気候変動に加え様々な飛行生物が縄張り争いや生存
競争を繰り広げており』
『空路は非常に危険で船体上部のドームも閉めざるを得ません!!残念!』
『そしてそこからおよそ5週間!!荒波に揺られますとォォ』
『いよいよ暗黒大陸に到着でーす!!』
会場から大きな拍手と歓声
3層一等客室
十二支んのゲル・クルック・ピヨン・ギンタと選挙編に出てきた女医のサンビカ他2名
が会議中
ゲル「━とここまでが表向きの航海でカキンの王族と一般の渡航者はこの大陸でゴール
よ」
ゲル「私たちはそこからモラウの船に移り門番の待つ門(ゲート)へ向かう」
ゲル「道中に小さな島があってそこに中継基地を作りノヴが物資と人材の流通を管理」
ゲル「暗黒大陸から中継基地までの輸送はトキャリーヌが担当するわ」
トキャリーヌ(ぽっちゃりおかっぱ女)「ただアシの能力はノヴほど便利じゃないからね
ー瞬間移動でもないし搭載能力も低いよ」
トキャリーヌ「なる早であと2・3人輸送係を見つけて」
トキャリーヌ(う…カオちっさ目でっか体ほっそとなりハズ)
ゲル「探索中だけどキビシイわ」
ゲル(う…カワイイさわりたい…)
1層ビヨンド拘束室
檻の中にあるベッドでくつろぐビヨンド左手が手枷で拘束されている
檻の前でビヨンドを監視しているカンザイ・サッチョウ・サイユウ
カンザイ「監視に3人も置く必要本当にあんのかよ?絶対人材のムダ使いだとおもうが
なー」
サイユウ「お前抜けろよ無能(マイナス)がいなくなりゃその分プラスになるからな」
カンザイ「ははは そっくりそのまま返すわ」
サッチョウ(有事の為に1・2層にも十二支ん(メンバー)を複数置きたいのだろうが…
)
サッチョウ(船上での脱走には何のメリットも無い ビヨンドの監視に3人は多いな)
サッチョウ「ローテーションを決めて一人は国王軍のサポート任務が出来る様ミザイに
進言してみよう」
例のメガネが自室で新世界紀行を読書中
同僚A「まだ読んでんのか?」
同僚B「もう全部丸暗記したんだろ?」
メガネ「お前らもこれから向かう迷宮都市の章くらい読めよ オレが死んだらお前らの
誰かが首席管理次官だぞ?」
同僚A「んな訳ないじゃん」
同僚B「お前が死ぬとしたらオレら全員の後だから」
同僚C「ハンター教会が全面的にガードしてくれてるんだから問題ないよ 公式には含
まれてないけど今の国際渡航許可庁の長官も『唯一の生存者』の一人じゃん」
同僚A「お前はビヨンドの成果を裏付ける『生き証人』なんだ 絶対安全だよ」
メガネ「……」
同僚B「長官にも言われたろ 鉄板の出世コースさ心配するな オレ達の事もよろしくな
」
3層中央医療室
慌ただしく働くチードルとレオリオ
チードル「抗ヒスタミン錠200箱C棚上段 ジフェニドール錠150箱C棚下段ね」
レオリオ「ハイ!!ハイ!!」
チードル「ラベル貼って一列無くなり次第補充! スタッフに数の管理を徹底させて!」
4層カキン国王軍会議室
ミザイと軍関係者がブリーフィング中
3層中央裁判所
ボトバイが裁判中
1層男子トイレの個室クラピカの眼前に血を全て抜き取られた状態の死体
黒服「ウッディーだな」
黒服「全身の血を抜かれてる 定時報告がないから様子を見に来たらこの状態だった」
黒服「カギは掛かっていなかったが小便だけならオレもわざわざカギはしないな」
黒服「死亡時刻は12時15分から30分までの15分間」
クラピカ「侵入者の形跡は見つかっていないんだな?」
黒服「ああ全く無い 残念だが容疑者はこのエリアの中の誰かだ」
クラピカ「そうとも限らない」
黒服「?」
クラピカ「服を脱がせるぞ」
死体の全身に無数の穴
黒服「うおっ…」
クラピカ「状況から見て念による攻撃と考えるのが妥当だろう 今後のために全員正直
に答えてくれ」
クラピカ「犯人は外部の念能力者である可能性が高い この中に念を使える者がいたら
名乗り出てくれ」
黒服「ネン…?それは超能力なのか?」
黒服「使えるも何もそんな能力初耳だ 何か得体の知れない生物とかじゃなく!?」
クラピカ(思ったよりも状況は悪いな…ここで鎖を使うのもリスキーだし)
クラピカ(王族側の護衛が白を切るのはまだわかるがハンター達の態度が解せない…!
)
クラピカ(彼らが率先して協力姿勢を示せば王族側の対応も違ってくるだろうに…)
クラピカ「もうすぐセレモニー会場から御二人をお迎えする時間だ」
クラピカ「遺体は今すぐ軍に引き渡しこれからは必ず複数人での行動を心掛けてくれ」
クラピカの背後にハンター達
クラピカ「何故名乗り出なかった?」
クラピカ「確かに協会にとって念は最大の守秘事項だが今はそれを上回る非常事態だと
いう事はわかるだろう」
クラピカ「機敏に対応しないとこの先乗り切れないぞ」
ハンター「…逆にこちらが聞きたい 何故あの場面で念の事をもち出したんだ?」
クラピカ「何だと?」
ハンター「我々の任務は王妃と王子のガードに限定されている」
ハンター「あれは完全にカキン軍の内紛だろう?」
クラピカ(?まさか…)
ハンター「軍人の中に念能力者がいるなら我々が名乗り出るのは逆効果だ カキンの内
輪もめにわざわざ首を突っ込むぞと宣言するようなものだ」
ハンター「こちらが任務に集中していれば巻き込む事はしないだろう」
クラピカ(継承戦の事を…知らされてないのか…!!)
クラピカ「君達は…カキンの公式サイトから応募したんじゃないのか?」
ハンター「ん?もちろんサイトを通じてエントリーした」
クラピカ「ならばその後王妃に会っただろう?」
ハンター「面会の項目だな 我々は免除されている」
ハンター「我々は君と違い渡航の発表直後にはカキンと接触していてエントリーはあく
まで形式上のものだ」
ハンター「だから王族や軍の複雑な事情も君よりよく知っている! 王妃に気に入られて
いる様だが少し自重してくれないか?」
クラピカ(パリストン経由…継承戦の事は知らされていない…というよりパリストンさ
え知らないと考えた方が自然だ)
クラピカ(事情を知った上で募集に応じたのはオレ一人…!)
1層セレモニー会場
黒服「オイト王妃御退室の御時間でございます」
会場を眺めるベンジャミン
ベンジャミン(結局出航セレモニーも全員参加…14人によるバトルロイヤルか)
ベンジャミン(王と王立軍の監視があったとは言え…なめられたものだな)
ベンジャミン(第一王子のオレ様を押しのけて王になろうなどという愚挙!!)
ベンジャミン(極刑に値する!!!)
ベンジャミン(もしも他の王子に殺されたならば幸運に思え!!)
ベンジャミン(オレ様はただでは殺さぬ!!)
禍々しいオーラを発するベンジャミン
黒服「カチョウ様 御退室の御時間です」
カチョウ「ええ フーちん行こ」
黒服「は…しかしながら一名ずつご退席いただきます決まりでして」
カチョウ「いいじゃない 連絡通路から扉まで見送ってもらうだけよ」
フウゲツ「そうよ」
カチョウ「私達だって2人きりで話したいわよねー」
フウゲツ「ねー!!」
VIP「ホホホ御二人は本当に仲がよろしいのねー」
VIP「2人の国王なんて事もあるかもな」
フウゲツ「カーちんあの…あたしね今回の継承戦……」
フウゲツに耳打ちするカチョウ
カチョウ(気安く呼ぶんじゃねーよバカが!!よく聞きな 二人で協力して他の王子(連中
)殺ってくよ!!)
青ざめるフウゲツ
カチョウ(上手く2人だけが残ったらあたしから王(パパ)にお前が死なずにすむ様頼ん
であげる 護衛に共闘するよう話つけとけ)
カチョウ(わかったか!?笑えよボケ!!カメラに映ってんだよ!!)
ぎこちなく笑うフウゲツ
カチョウ「じゃーねフーちん♥ 約束よ!!!」
センリツ(聞いちゃった……コワ~)
カチョウ「RG財団のジジイ王(パパ)に言って席離してよ!!あたしの事すごいエロイ目
で見てきてキモイ!!」
護衛「はい」
はっとした表情のセンリツ
センリツ(このコ…自分を偽ってる…!?)
再びクラピカ視点
4人の護衛が血を吸われて死んでいる
クラピカ「一体何があったんだ!?」
使用人「わかりません 私達はそれぞれ調理や開梱をしていました!!」
クラピカ「最後に彼らを見たのは!?」
黒服「15分前の定時報告だ!! 見たわけじゃないが異常なしと報告があった」
鎖を具現化するクラピカ左手には拳銃
クラピカ「王妃 私の後ろへ」
ハンターに拳銃を突きつける
クラピカ「お前たちはリビングへ行け」
クラピカ「これから私の知っている事を全て話す その上でいくつか質問する」
クラピカ「嘘をつけば鎖が回る 回れば撃つ…!」
■出航の汽笛はゲーム(殺し合い)開始の合図…!!
次週へ
ストレッチ。トレーナーの手本を見て自身の異常さを再確認 <義博>